犬と猫の皮膚科

偶然とはいえ、非常に恵まれた環境に病院を持つことができました。ゆっくりとした時間の中でご家族と話ができることは、自分達の病院のあり方に非常にマッチしていました。

メジャーなコーヒー店から小さなコーヒー店まで様々なお店があります。コーヒー好きの自分にとって多くのカフェが存在するこの場所は非常に興味深い地域です。まだメジャーなカフェのコーヒーしか味わえていませんが、今後は時間を見つけてお店巡りをしたいと思っています。（★このコラムを掲載しているDSDCカフェの中にスタッフおすすめのカフェなどを掲載した「清澄白河お散歩マップ」というページができます。4月下旬にはアップできると思いますのでぜひ覗いてみてください。）

知人と一緒にコーヒーを飲んだときにこのようなことを言っていました。「最近流行りのコーヒーのお店は深煎りが多いんですが、コーヒーの味を楽しむには浅煎りが良いんですよ！」
確かに私が好んで飲んでいたコーヒーはしっかりとした味わいでした。Theコーヒー イコール 深煎りと自分の中で決めていました。しかし、コーヒーそのものの味を楽しむには浅煎りの方が案外良いのかもしれません。
何事もそうかもしれませんが、思い入れとか思い込みってあると思いませんか。違う視点から見ると視野が広がったり、新しいものが発見できることがあります。飼い主さんと話をしていると、何気ない一言が新たな治療のヒントになることもあります。

今回は開院1年の感謝とお礼を込めての企画となることから、会場をお借りして、多くの先生方に参加していただけるようになっています。これまでは当院の待合室で、皆さんの顔が見える10人程度のセミナーを行なってきました。このアットホームな雰囲気でのセミナーは非常に気に入っており、今後も継続していきたいと思っています。

このようなテーマでどこまで満足できる話ができるか挑戦ですが、画像や動画を駆使してわかりやすく話をする予定です。初の試みもありますから、期待外れにならないよう準備したいと思います。

マイブームの一つは耳垢なんです！みみあかって結構面白くないですか？
外耳炎だからみみあかが溜まっていますねと解釈するだけではなく、
何でこのような色なんだろう？
何でこんなに水溶性なんだろう？
何で細菌が見えるのだろう？
なんて考えて耳の診療をすると面白いんですよ。治療効果が上がるとみみあかの状態も変わるんです。すごくないですか？みみあかをみたら外耳炎の重症度が分かるなんてなったら診療に役立つのではと最近はみみあかばかり写真を撮っています。みみあかに夢中な自分は側からみたら相当ユニークなのかもしれません。

先生方からご紹介頂いた難儀な症例を経験すると、もっとよい治療法がないかと考えることがあります。一クリニックでできることには限界がありますが、犬と猫の皮膚科では先生方の診察に少しでもお役に立てるものを目指して現在、下記の臨床リサーチを実施しています。症例がありましたらご相談ください。
・犬ニキビダニ症の治療法
・脱毛症Xの治療効果
・猫の痒みの治療法
※上記以外も現在実施中、または今後実施する予定としているものもあります。

感染症、なかでも膿皮症に対するスキンケアは抗菌薬を使用しなくても効果がみられる治療法がわかりました。これまでは治療を目的に細菌に対して有効なスキンケアは何かを考えて実施していましたが、なかには繰り返す、また治らない症例があります。今後はそのような症例がなぜ効果に乏しいのかを考え、より有効な方法を検討していきたいと考えています。スキンケアの評価には皮膚の環境の評価が必要なことから、科学的な裏付けをもって話ができるような機器の導入なども検討する予定です。