気がつけば3月。河津桜も咲き、心地よい気候になってきました。
我が家も二人の娘達にひな人形を飾っています。こぢんまりとしていますが、結構綺麗な人形で、個人的にはお気に入りです。子供の頃の記憶というのは十分ではないことから、はたしてどこまで憶えているのか分かりませんが、たまにひな人形を覗いては、指をさして、何かを言っています。さすがに手の届く場所ですと何が起きるか不安ですので、あくまで遠くから眺めるだけですが。
ひな祭りと言えば、桜餅でしょうか。
最近はおはぎみたいな関西の桜餅が何となく主流ですが(と思っているのは私だけかもしれませんが)、子供の頃はクレープみたいな生地で餡を包む関東の桜餅しかありませんでした。あったのかもしれませんが、食べていませんでした。幼稚園でも3月3日に合わせてみんなで桜餅を食べる行事がありました。全員が部屋に集まり、一人一個ずつ桜餅を渡され、「いただきまーす!」と。はてさて、桜餅の周りについているこの葉っぱは何だろうか?と初めて見る葉っぱ(もしかしたらその時が初めての桜餅だったのかもしれません)が不思議でした。
隣にいた友達から「葉っぱごと食べると美味しい」と教えられた私は、
興味もあったことから、一気に桜の葉ごと桜餅を食べました。どのような味だったかは全く憶えていませんし、どのような味なのか今でも分かりません。なぜならそこから塩漬けされた桜の葉っぱを食べていないからです。一気に食べた幼稚園児の私は、自分の口には全然合わず吐いてしまいました。みんなの前で吐いてしまったのか、トイレに行って吐いたのか(幼稚園児がそこまでしないとは思いますが)憶えていませんが、とにかく吐いたことだけは憶えています。どうしてこんな葉っぱを美味しいとみんな食べるのだろうかと、そこから人生で唯一嫌いな食べ物が出来上がりました。
桜の葉っぱ、今でも嫌いです。
桜餅はというと、最近になってようやく息をしながら食べていますが、子供の頃は、息を止めて食べていました。餡の入っているお餅を食べることは好きでしたし、みんなが食べているのに私だけ食べられないのは悲しいので息を止めてでも食べました。嫌いになるとにおいもダメなんですね。葉っぱを剥がしても、独特のにおいは残っていますし、時になかなかはがれない頑固な葉っぱもいやがって、ほんの少しだけ餅に残るんですよ。今でこそわずかな葉っぱは食べても大丈夫ですが(美味しいとは思いませんが)、子供の頃はダメ!、わずかな葉っぱも剥がしていたら、最終的にほとんど餡だけ食べていたこともありました。季節の風物詩ですから、そのうちね、試してみようと思います。そのうちね。
春といえば、もう一つやっかいなのが花粉症です。
気持ちよりも目や鼻の方が早くに春を感じています。最近は薬局で販売されている飲み薬や目薬も使って、まあまあ落ち着いていますが、それでもここ最近は酷いですね。擦ってはいけないと分かりながらも痒みを痛みに変えるではありませんが、必死になって擦っていますし、気がつけば水みたいな鼻水を垂らしています。やっかいなのが、診察中にどうにもこうにも鼻水がとまらない時ですね。目の痒みは我慢が出来るのですが、鼻水は勝手に出るんですよ。
患者さんの前で、鼻水を垂らしていたら説得力がないじゃないですか。
患者さんも鼻の下に流れている鼻水が気になって診察どころではなくなりますよね。ですから何とか仕事の邪魔にならないよう薬だけはと思って飲んでいるのですが、花粉の量が多いときにはしようがないので、マスクをしています。マスクをすると多少は楽になりますし、なんせ鼻水を垂らしていてもバレません。この時期、診察中にマスクをしていたら、ああ、鼻炎が酷いんだな、マスクの下は鼻水でびちゃびちゃなんだなと勝手に想像して下さい。
今でこそ多くの人が花粉症になっていますが、
子供の頃はまだまだ少ない印象でした。私の花粉症が始まったのが、中学生の頃です。高校ではすでに酷いことになっていました。おそらく中学生の頃はまだ十分に理解されていなかったかもしれません。春先になると目が痒くて目が痒くてどうしようもありませんでした。近所の目医者へ行き、目薬をもらいました。記憶が確かではないのですが、水溶液の目薬(水みたいなということです)と、黄色いどろっとした目薬を渡されていました。水溶液の目薬の内容成分は今でも分かりません。しかし、あまり効果がなかった記憶があります。黄色いどろっとした目薬はおそらく抗生剤の目薬だと思います。
スギ花粉症は本来抗生剤が有効な病気ではないはずですが、
このどろっとした目薬が結構効きました。この目薬をさすと、まず目の前が真っ白になります。というか濁るんです。どろっとしていて、よく見えなくなります。この感覚が面白かったです。何だか他の人とは違う特別な目薬をつけている感が強かったです(本当に幼稚ですね)。もしかしたらそのような気分的なところが効いていたのかもしれません。もう一つ、この目薬をさすとピリピリするのです。粘膜が刺激されるのか、ピリピリするんですね。この刺激が痒みを和らげてくれます。
アトピー性皮膚炎では引っ掻くことにより痒みを痛みに変える
なんてことが言われていますが、まさにこの目薬はピリピリした違和感が痒みを和らげてくれました。ちなみにこの季節は目薬をつけようが、飲み薬を飲もうが、痒いものは痒くなってしまう季節で、とくに目なんかは目玉を取り出して洗いたくなるくらい痒みが重度な場合もあります(結膜炎なので、目玉を取り出して洗ってもダメだとは思いますが)。
何かと強引な私はお風呂に入った時にシャワーで目を洗うのが大好き
で、とくにこの季節はパワーマックスでずーっと目にシャワーを当てているくらいです。気がついたら可愛いウサギさんの目!両目が真っ赤になっていました。単純に結膜が充血しているのですが。いつもと同じように眼科へ花粉症で受診しました。念のためと一通り、検査を受けるとなんと!眼底から出血をしていました。考えられる病気から、その病院でできる検査を全て実施しましたが、何も分からず、検査結果を聞きに行くときには、すでに眼底の出血は治まりつつありましたが、大学病院でCT検査なども含めた精密検査を実施しました。結論はシロ。何もありませんでした。大学病院で検査をしたときにはすでに眼底の出血は治っていましたので、現状で重大な問題はなさそうだからと経過観察となりました。私は何となく気がついており、普段の生活で少しずつ控えていました。そう、目をシャワーで洗いすぎたのではないか?と。本当にそのようなことがあるかは分かりませんが、皆さんくれぐれもやり過ぎはいけません。目を一生懸命洗って、真っ赤になったら余計に結膜が腫れて痒みが増しますからね。
うちの家族は私も奥さんもばりばりの花粉症です。
何となく長女がクシャミをしています。何となく長女が鼻水を垂らしています。何となく長女が目を擦っています。次女は相変わらずマイペースです。調べてみると幼児でも普通に花粉症は出るようで、本当かどうかは詳細に調べていないので分かりませんが、0歳から症状が出始めている子もいるそうです。我が家では何とか花粉症が出ないようにすることができないのか、今はその対策を検討中です。一時期とはいえ、決して心地よいものではありません。なければないにこしたことはありません。私も来年はスギの花粉を口に含ませる減感作療法を実施しようか検討中です。マスクの下が鼻水だらけは格好悪いですから。