皮膚病に困っている日本中の犬と猫とそのご家族にとって、
ここが〝最後の砦〟。その責任と思いをもって、人生のすべてを
かけてこの学問に挑んでいる先生たちは、最高にかっこいい。
一般の動物(一次診療病院)で働いていた時は、診断するということの難しさを目の当たりにしていました。
忙しい病院なら、なおさらです。たった5分の診察時間、次の患者さんも並んでいる状況で、検査・診断・治療を組むって、本当に大変なことだと思います。
犬と猫の皮膚科では、初診に1時間〜1時間半かけることができます。再診も、必ず30分という枠を設けます。
ゆっくり、じっくり、とことんお話を聞いて、ご家族が納得いく治療を選択していくこと、その子にとって最善の、最短ルートの治療を考えることを徹底しています。
すべての検査をしなくては、治療ができない、というわけではありません。ご家族のライフスタイルに合わせた治療を提案することが大切で、薬が飲めないなら、シャンプーを嫌がるなら、その都度一緒に方法を考える、代替案をいくらでも提供できるということです。
日本で、皮膚病に困っている犬と猫とそのご家族にとって、ここが最後の砦。その責任と思いを常にもって、人生のすべてをかけてこの学問に挑んでいる先生たちは、最高にかっこいいと思っています。
病気の子を治すことはもちろん、ご家族の気持ちも和らげる、
そんな場所。
重症な症例の子もいれば、どこが病気なのか、一見しただけではわからない軽症の子もいます。
どんなに軽症でも、どんなささいな赤み・痒み・できものでも、科学的根拠をもって、エビデンスにもとづいて、なぜそれが起こっているのか、先生たちは丁寧に、丁寧に、説明をしていきます。
当科は人間でいうところの、小児科・心療内科・精神科に近いものがあるように思います。
犬や猫も病んでいれば、毎晩掻きむしって、眠れない、フケだらけ、くさい臭い、ベタベタの毛、はげ散らかした身体…。
外出すれば、あのおうちの子、大丈夫なの? うちの子に病気がうつらないかしら?
そんな視線を感じてご家族自身、病んでしまうこともあるからです。
病気の子を治すことはもちろん、ご家族の気持ちも和らげる、そんな場所だと思います。