犬と猫の皮膚科
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1
背中の痒み、ぶつぶつ、抜け毛
膿皮症
ミニチュア・ピンシャー、3歳齢、去勢雄
春より背中に痒み、ぶつぶつ、脱毛を認めた。
検査
皮膚表面の雑菌を顕微鏡で観察したところ、細菌(ブドウ球菌)が多数みられた。
治療
抗生剤(セファレキシン)1日2回投与3週間
2%酢酸クロルヘキシジンで1日おきにシャンプー
コメント
膿皮症は、鼻孔や肛門周囲に常在しているブドウ球菌が感染した皮膚の炎症です。初発の場合には、抗生剤の内服や消毒薬(クロルヘキシジン)の入ったシャンプーによる洗浄で治療するだけで様子をみますが、再発する場合には、なぜ繰り返すのか様々な要因を考えます。例えば、季節、ブラッシングなどのスキンケアなどの外的要因やアトピー性皮膚炎、内分泌疾患などの内的要因などを検討していきます。
2
お腹の痒み、抜け毛、赤み
ニキビダニ症
雑種犬、6カ月齢、未避妊雌
数ヶ月前より顔面、腹部、足先に痒み、赤み、ぶつぶつ、脱毛を認めた。
検査
毛を抜き顕微鏡で観察したところ、多数のニキビダニがみられた。
治療
駆虫薬(ドラメクチン)週1回内服投与
コメント
ニキビダニとは健康な犬でも毛穴に存在するダニです。ニキビダニ症とは、このニキビダニが増えることによって皮膚に炎症をおこす病気です。
治療は、ニキビダニの駆虫に加えて、健康な犬でもいるダニが増える皮膚の免疫低下を考えます。すなわち若齢犬では未熟な皮膚免疫を考え、快適な生活環境作りや適切な栄養バランスを検討します。高齢犬ではホルモンや内臓の異常などの病気がないかを検討する必要があります。
3
重度な痒み、フケ、ぶつぶつ
角化型疥癬
アメリカン・コッカー・スパニエル、1歳齢、去勢雄
数ヶ月前より耳、肘、踵に痒みを認め治療をしたが、顔面、腹部にまで痒みが拡大した。夜も寝られない程に痒みがひどい。
検査
掻き取ったフケを顕微鏡で観察したところ、疥癬虫がみられた。
治療
駆虫薬(イベルメクチン)2週間毎3回内服投与
硫黄サリチル酸シャンプーで週1回洗浄
コメント
疥癬は、疥癬虫の寄生による非常に重度な痒みを認める皮膚病です。疥癬には、多数の疥癬虫寄生による角化型疥癬と言われる病気と、少数寄生でもアレルギー応答により痒みを認める通常疥癬とがあります。通常疥癬が犬の疥癬では一般的ですが、若齢の犬や高齢の犬では皮膚の免疫が弱いことから、疥癬虫が多数寄生し角化型疥癬を認めることがあります。
ときにご家族の方にも疥癬虫による痒みを伴う湿疹をがみられることがあります。
4
背中や尾の抜け毛、フケ
甲状腺機能低下症
アメリカン・コッカー・スパニエル、6歳齢、去勢雄
半年前より背中や尾の抜け毛、また背中に大量のフケが出てきた。
検査
軽度の貧血(35%)
高コレステロール血症(>450mg/dl)
血清T4値<0.5µg/dl
治療
レボサイロキシン(甲状腺ホルモン製剤)
コメント
甲状腺機能低下症は、6~10歳齢といった中高齢に認める甲状腺ホルモンの産生が不足する病気です。
皮膚の症として、うす毛(薄毛)や抜け毛(脱毛)、あぶら症(脂漏症)、ふけ症(角化異常)を認めます。皮膚以外の症状もよく認め、体重増加、嗜眠、徐脈、便秘、下痢、、また痙攣などがみられることがあります。
治療はレボサイロキシン(甲状腺ホルモン製剤)を投与します。皮膚の症状は約3カ月で改善しますが、残念ながら完治することはありませんので、生涯にわたる投薬が必要です。
5
顔面や足先の抜け毛やフケ
皮膚糸状菌症(カビ)
雑種猫、4カ月齢、未去勢雄
1ヶ月前より耳、首、足先に抜け毛やフケを認め様子を見ていたが、徐々に抜け毛が拡大した。最近、同居の猫にも同じような抜け毛がみられる。
検査
毛を抜き顕微鏡で観察したところ、毛の中にカビがみられた。
また培養検査で、カビの発育を認めた。
治療
抗真菌薬(イトラコナゾール)1日1回内服投与
生活環境の掃除
コメント
猫の皮膚糸状菌症はおもにMicrosprum canisと言われるカビが増殖した皮膚病であり、毛やフケに感染し、症状として抜け毛やフケを認めます。
Microsprum canisは、犬やヒトにも感染を認めること、また長期にわたって生活環境で生存します。治療の成功のカギは、同居猫や犬の身体検査や培養検査の実施とともに、徹底した生活環境の掃除が重要です。
6
首や脇の痒み、赤み、抜け毛
マラセチア皮膚炎
ビーグル、3歳齢、去勢雄
毎年、夏になると首、脇、耳などに痒み、赤み、脱毛、皮膚の肥厚を認めた。
検査
皮膚表面の雑菌を顕微鏡で観察したところ、マラセチア(酵母様真菌)がみられた。
治療
ケトコナゾール(抗真菌薬)内服投与
2%ミコナゾール&2%クロルヘキシジン(マラセブ™)週1–2回洗浄
コメント
マラセチア皮膚炎は、口の周り、耳、肛門周囲に常在するマラセチアが関連した皮膚病です。マラセチアはあぶらが好きなことから、あぶらの溜まりやすい首、脇、股などの皺に痒みを伴う赤み、脱毛、皮膚の肥厚などを認めます。治療はあぶらを落とす目的で頻繁にシャンプーを実施すること、またマラセチアを管理する目的で抗真菌剤を内服します。
DSDC 症例ギャラリー
背中の痒み、ぶつぶつ、抜け毛
お腹の痒み、抜け毛、赤み
重度な痒み、フケ、ぶつぶつ
背中や尾の抜け毛、フケ
顔面や足先の抜け毛やフケ
首や脇の痒み、赤み、抜け毛